おはようございます。多田陽子です。

先週の土曜日は、福岡専門職団体連絡協議会(専団連)主催の「なんでも相談会」に相談員として従事してきました。

色々な相談があるのですが、相続にひそむ問題として「空き家」対応があるなと考えさせられました。

あなたは今ご両親と一緒に住んでいますか?
現在ご両親は遠方にお住まいですか?将来同居する予定ですか?

もしご両親が自分の住む地域より遠くに暮らしているのであれば、一緒に住むということが難しい場合があります。ご両親が住んでいた自宅を相続しても、兄弟の誰も住まない、住めないということであれば、家の管理(草取りや風通し、固定資産税の支払い)などが負担になってくる場合があるのです。

実はこの問題以前からあり、そのため空き家に対するニュースが増えてきていますが、九州も人口減少が激しいので各地で増えると思います。

この空き家の問題は、結論として売れるか売れないかになります。

  • 売れる場合
    • ご両親の自宅をすぐにではないが、将来的に売却してもよいと考える場合、仮に売り先が見つかるのであればそんなに深刻ではありません。。
      • 不動産会社を通じて売却
      • 近隣の方に売却・贈与

などが考えられます。

  • 売れない場合
    • ご両親の自宅を売りたいと思っていても、上記のような売り先が見つからない、売るには難しい事情があるなどの場合はさらに下記のような対応が迫られます。
      • 市町村に寄付をする
      • 直接買ってくれそうな人を自分で探す

それでもなお売れない空き家についてお話しします。

  • 空き家対策特別措置法の施行
    • 空き家を調査
      • そのまま売れない場合、空き家として所有するしかありません。
      • 固定資産税は、建物がある土地は、土地の固定資産税が最大で1/6まで優遇される特例があります。

        逆に考えると、解体するだけで土地の固定資産税が最大4.2倍に増えるのですから、空き家が古くなっても誰も解体しようとしません。※6倍という話もありますが、更地の固定資産税は評価額の70%が課税標準額となるため、6倍×70%で4.2倍です。

        管理ができるうちは良いのですが、管理せずに放っておくと、家も老朽化して治安や災害の際に問題になるケースも出るでしょう。そういった将来放置すると危険と思われる空き家を市町村が「特定空家等」にみなす場合があります。
  • 特定空家等の措置
    • 市町村が最初に行うのは、除却(解体)、修繕、立木竹の伐採等の助言又は指導です。助言や指導に対して何もしないと勧告対象となって固定資産税の特例対象から外されます。

      それでもなお何もしないと命令・強制対処となり市町村の方から強制的に更地にされてその取り壊し費用を請求される可能性もあるのです。

このように、どうすることもできない空き家にさらに追い打ちをかけるような対応を迫られる可能性もありますので、将来的な負担をどうするかなどを考えていくべきかと思います。

本日空き家に対する仲介手数料の上限緩和を検討することになったようです。これで少しでも売買が活性化すれば望みも増えるかもしれません。

また福岡県内の自宅であれば、福岡県のホームページに空き家対策が掲載されています。
この中にできる対応策があれば、活用してみてはいかがでしょうか。
http://www.pref.fukuoka.lg.jp/contents/akiyataisaku.html

他の市町村でも同じような対策はあると思いますので、県のホームページを検索されてみてくださいね!
画像の説明